災害時のマンション 停電・断水…管理組合どう備える?

エレベーター閉じ込めへの備え

災害時のエレベーター閉じ込め事故への備えも大切だ。

地震時の閉じ込め防止対策としては2009年から、エレベーターを設置したり取り換えたりする際には、「地震時管制運転装置」の設置が義務づけられている。本震より先に伝わる初期微動を感知し、最寄りの階に止まって扉を開ける仕組みだ。停電発生時も、非常用電源で最寄りの階まで動く仕組みになっている場合がある。

万が一、閉じ込められた場合は、外部連絡用のインターホンで連絡を取り、保守管理業者による救出を待つ。ただ、首都直下地震発生時には最大約1万7000人が閉じ込められるとされ、救出が数日後という事態も。最低限、エレベーター内に懐中電灯や携帯トイレ、飲料水などを入れた箱を備えておきたい。

エレベーター閉じ込めへの備え

「災害対策研究会」(東京)の主任研究員の釜石徹さんは10年から、自身が住む東京都内のマンションで、閉じ込め時の救出訓練=写真、釜石さん提供=を行っている。途中で止まったエレベーターからの救出は危険を伴うため、業者の協力を得て実施。「管理組合による共助の取り組みの一つとして検討してほしい」と話す。

(読売新聞 2021年4月18日掲載 「防災ニッポン マンション」生活部・崎長敬志)

無断転載禁止

この記事をシェアする

オススメ記事

新着記事

公式SNS