17年ぶり改定! 富士山の噴火で溶岩流が新幹線を分断する!?

過去5600年間に噴火180回

富士山はかつて「休火山」と呼ばれたが、火山にとって数百年程度の休止期間はつかの間の眠りでしかない。このため、現在は「活火山」の定義を「おおむね過去1万年以内に噴火した火山や、活発な噴気活動のある火山」とし、富士山など111火山を選定している。

富士山火山防災対策協議会によると、噴火は過去5600年間に約180回発生。噴出量2億㎥以上の大噴火は7回あった。

噴火すると、火山灰や岩石が高温の火山ガスとともに高速で斜面を流れる「火砕流」が起きる恐れもある。ただし、溶岩流は過去の噴火の6割で発生したが、火砕流が起きたのは1割以下とされるなど、発生頻度にはばらつきがある。

 

■富士山の噴火に伴う主な現象

◆噴石
大きさが20cmの噴石が火口から10km飛んだ記録も

◆火山灰
細かく砕けた岩石が、風に流され降り注ぐ。広範囲で交通機関や電力網をマヒさせる

◆山体崩壊
地震や噴火をきっかけに、山の形が変わるほど大きく崩れる

◆融雪型火山泥流
火砕流などの熱で積雪が解けて起きる時速数十kmの土石流

◆溶岩流
液体状の溶岩(約1200度)が流れ下る。急斜面以外なら歩く速さ程度

◆火砕流
時速100km以上、温度は数百度にも達する

「噴火のデパート」とされる富士山では、他にも解けた雪による大量の水が土石を巻き込んで山麓を襲う「融雪型火山泥流」や、過去2万年間に3回起きたとされる大規模な「山体崩壊」などが起きる可能性も指摘されている。

写真説明:溶岩流の上に広がる青木ヶ原樹海(奥)と、精進湖(手前)に流れ込んだ溶岩(山梨県富士山科学研究所提供)

異変を監視する仕組み

最後の噴火は1707年の宝永噴火だが、2000~01年、普段は月10回前後しか観測されない「深部低周波地震」が最大で月220回程度観測された。地下のマグマ活動と関連があると考えられている。

これをきっかけに観測網が強化され、現在は19か所に設置した地震計や、地殻変動をとらえる傾斜計、監視カメラなどで異変を監視している。気象庁火山監視・警報センターは「現在は静穏で噴火の兆候はない」としている。

無断転載禁止

この記事をシェアする

オススメ記事

新着記事

公式SNS