横浜市民防災センターの最新ARで豪雨や水害を体験する!

写真説明:ARを活用したスマホの映像で室内が浸水したときの様子を確認する参加者(横浜市民防災センターで)

水害の怖さを実感する大型台風体験ツアー

最新のAR(拡張現実)技術を活用し、水害の怖さを実感する体験ツアーが横浜市民防災センター(横浜市神奈川区沢渡)で導入された。近年、全国で相次ぐ豪雨災害。センターには様々な体験メニューが用意され、防災意識の向上を図っている。

スタートは住宅室内を模した部屋から

住宅の室内を模した約20畳のトレーニングルーム。大型台風が襲来したとき、どう避難するべきか考えるツアーが始まった。

停電、玄関から浸水、扉が開かない…

テレビから大雨洪水警報のニュース速報が流れ、停電で室内は真っ暗に。激しい「雨音」だけが響く。プロジェクションマッピングの映像で、玄関から氾濫した川の水が流れ込み、窓ガラスも割れる。扉は水圧がかかって開かず、追い込まれた参加者5人は2階に通じる階段に逃げ込んだ――。

その後、参加者がARのアプリをインストールしたスマートフォンをかざすと、部屋が浸水している様子が映し出された。手を伸ばした先に水面が見え、まるで水にのみ込まれたような感覚になる。

新人研修で参加したビルメンテナンス会社の社員(22)は「いざとなると何がベストな行動か分からなくなる。訓練の大切さを感じた」と感想を口にした。

 

◆災害時の避難のポイント

風水害体験ツアーはこうして生まれた

1983年開設の横浜市民防災センターは従来、地震や火災の体験に力を入れていたが、岡山県倉敷市真備地区で51人が犠牲となった2018年7月の西日本豪雨や、高波が横浜市金沢区の工業団地を直撃した2019年9月の台風15号など風水害の激甚化を受け、2020年9月に「風水害体験ツアー」をスタート。2021年4月には被害を実感しやすいARを取り入れた。参加者はこれまで約700人に上る。

体験した後でこんなプログラムも

60分のツアーでは減災トレーニングのほか、災害時の避難行動を一人ひとりが時系列に定めておく「マイ・タイムライン」も作成する。ハザードマップが予想する浸水の深さをARで確認することも可能だ。センター職員の木村翔太さんは「体験ツアーで適切な避難行動を身につけてもらい、逃げ遅れゼロを目指したい」と話す。

横浜市民防災センターでは、震度7の地震体験、映像の火を消火器で消す消火シミュレーション、煙の中を避難する「地震・火災体験ツアー」も好評だ。問い合わせは、横浜市民防災センター(https://bo-sai.city.yokohama.lg.jp/ 電話045・312・0119)へ。

(読売新聞 2021年5月16日掲載 横浜支局平塚通信部・池尻敦)

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