東京・しながわ防災体験館で楽しみながら「備え」を学ぼう!

区役所庁舎にある入館無料の学習施設

大規模災害が起きるたびに、日頃からの備えの重要性が指摘される。時間の経過とともに記憶が風化しがちだが、東京・品川区にある「しながわ防災体験館」は楽しみながら防災を学べる施設として工夫されている。

防災対策の基本として掲げられるのが「自助、共助、公助」。そのあり方を伝える施設として、東京都品川区が、区役所第2庁舎2階の一角を改装し、東日本大震災の発生5年後に開館させた。従来は社会科見学で地元の小中学生らが防災の知識を身につけるための展示だったが、現在は英語、中国語、韓国語にも対応する。見たり、聴いたり、触れたりして様々な状況を体感できる。

こんなことが体験できる

◆初期消火体験で放水する!

初期消火体験の臨場感は格別だ。炎が燃えさかる動画を映し出した壁面に向け、消火栓につないだスタンドパイプから一気に放水する。

写真説明:消火栓につないだホースから放水する際には両手でしっかりと握る必要がある

<コメント>
スタッフの説明を受けながらマンホールを開け、消防ホースを接続。瞬く間に放たれる大量の水はホース越しにその重みが伝わる。腰を落とした状態でないと支えきれない水圧だった。

◆AEDの使い方を学ぶ!

応急救護エリアでは、あおむけに寝かせた人形を相手にAED(自動体外式除細動器)の使い方を習得する。

写真説明:訓練用のAEDを使い、本格的な心肺蘇生を体験できる

<コメント>
訓練用のAEDだが、自動音声や人形の右胸と左脇腹に貼る電極パッドは本物さながらだ。人形から離れるよう指示があり、電気ショックが流れるまでの動作がわかる。その後、重ねた両手のひらで胸骨を5cmほど垂直に押し込む心肺蘇生を行う。胸骨圧迫と呼ばれる方法で、1分間に100回のペースで続ける必要がある。

◆煙が充満するなか逃げる!

ほかに、火災により煙が充満する中での避難姿勢や、車いすに乗る高齢者や障害者を誘導する際の注意点などを確認できる。

写真説明:避難姿勢のコーナーでは決められた体勢より高くなると警報音が鳴る

災害時に必要な食料などの備蓄品も展示されている。

写真説明:非常時の備蓄品は最低3日分用意することが推奨されている

体験館の責任者、井東靖子さんは「地震は防ぐことができないから、日頃からの行動が大切」と備えを呼びかけている。

記者からもうひと推し

◆自助呼びかけるカメ

しながわ防災体験館では、品川区防災課のキャラクター「ジージョくん」(=写真)が出入り口正面で迎えてくれる。

ジージョくんの名前は防災の基本理念の一つに当たる「自助」に由来する。同体験館の開館に合わせて、お披露目された。名前の通り、日頃から災害に対して備え、自分の安全は自分で守る努力家のカメがモチーフ。背面の甲羅にはあらゆる防災グッズを収納して用意周到という設定だ。

◆しながわ防災体験館
防災の知識や技術が習得できる体験型施設として2016年3月11日に開館。JR大井町駅から徒歩8分。

住所:東京都品川区広町2の1の36 品川区役所第2庁舎・防災センター2階
開館時間:午前9時~午後5時。月曜、土曜、祝日、年末年始休館。
入館無料
問い合わせ:電話03・5742・9098
HP:https://www.city.shinagawa.tokyo.jp/PC/bosai/bosai2/taiken/taikenkan/hpg000027669.html

(読売新聞 2021年5月31日掲載 地方部内信課・井上健人 写真・八木沼卓)

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