風水害 備える(3)家族間の連絡 複数手段で(連載)


説明:NTT東日本のホームページで公開している動画の一部

大都市圏で風水害が発生した場合などに、家族が自宅と職場、学校にいて離れ離れだと、安否が心配になる。災害時は、通信設備が被害を受けたり発信が集中したりして、電話やインターネットがつながらなくなる恐れがある。NTT西日本などによると、2018年の西日本豪雨でも、固定電話や携帯電話がつながりにくくなった地域があった。

「非常事態時には、一つではなく、いろいろな連絡方法を把握しておくことが大切」。静岡大防災総合センター特任教授(防災学)の岩田孝仁さんは力を込める。

国が提唱するのは、災害用伝言ダイヤルの利用だ。災害時に開設され、固定電話からでも携帯からでもつながりやすい。「171」をダイヤルし、音声案内に従って自宅の電話番号などを入力して、「無事です」などとメッセージを録音したり聞いたりする。毎月1、15日に利用体験ができる。

◆家族との連絡3か条
▽複数の方法を使う
▽電話番号などを紙に書いて共有
▽公衆電話を子どもと確認

岩田さんは、遠くに住む親戚や知人を介し、家族間の連絡を取る方法を提案する。被災地から外部への電話は比較的つながりやすいからだ。事前に誰を介すか決めておく必要がある。「停電が起き、スマートフォンの充電ができずに使えなくなることもある。スマホの電話帳に頼らず、大事な連絡先は紙に書いて、家族全員で持ち歩くといい」

見直されているのが、公衆電話だ。災害時には優先的につながる仕組みになっている。利用者が殺到する可能性が高いが、会社や自宅の周辺に公衆電話がないか確認しておくとよい。利用には硬貨などが必要だが、災害時は通話料が無料になる場合もある。

子どもは使い方を知らないことが多い。NTT東日本のホームページで、動画で説明している。一緒に確認、利用してみよう。

ネットサービスには、携帯電話会社が災害時に開設する災害用伝言板がある。メッセージを書き込むことができる。無料通信アプリ「LINE」では、家族間のグループを作成しておくと、一度に家族全員に安否を伝えられる。

マニュアル作って共有を

風水害に限らず、地震などでもこうした連絡方法は有効だ。

危機管理教育研究所代表の国崎信江さんは「どの連絡方法を優先的に使うか、家族間で事前に決めておきましょう」と助言する。国崎さんの家庭では、連絡方法を優先順位を付けてまとめた「国崎家の防災マニュアル」を作成。各自がカバンに入れている。同研究所のホームページで公開しており、参考になる。


家族との連絡方法のマニュアルの一例

また、どうしても連絡がつかない場合に備え、待ち合わせ場所を決めてマニュアルに掲載しておくことも勧める。確実に会えるよう、「近くの小学校のジャングルジムの前」などと具体的に指定。また、「午前9時や午後3時に集まる」などと集合時間も定めておく。

国崎さんは「家族との連絡方法は曖昧にしがち。地域で想定される災害に応じて、何を書くべきか家族で話し合い、マニュアルにしてください。防災への意識も高まります」と話す。

 

(読売新聞 2020年4月16日掲載)

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