風水害 備える(4)時系列で自分用の行動計画(連載)


写真説明:自宅の玄関に「マイ・タイムライン」を掲示していれば、家族で確認しやすい(茨城県常総市・須賀英雄さん宅)

「天気予報に注意する」「避難の準備」「避難開始」――。茨城県常総市の須賀英雄さん(69)宅の玄関に貼られたA3サイズの紙には、防災に関する言葉が並んでいた。

「マイ・タイムラインと言います。風水害発生の危険性がある時、一人一人がいつ避難の準備をするかなどを、あらかじめ時系列で決めておく行動計画です」と、須賀さんが教えてくれた。

2015年の関東・東北豪雨で、市内の鬼怒川の堤防が決壊し、多くの被害が出たのを機に、国土交通省下館河川事務所が提唱している。須賀さんの住む根新田地区がモデル地区となり、住民が実践。須賀さんは同事務所公認「マイ・タイムラインリーダー」として、全国各地から講演に招かれ、普及に努めている。

作成方法はこうだ。

災害発生の危険性がある3日前からの行動を計画する。左側に、「洪水警報」「避難指示」といった予想される情報を書き、それに合わせて自分や家族が取るべき行動を、右側に書き込む。

行動には、「テレビで予報に注意」「リュックに懐中電灯などを詰める」など、多くの人に共通するものと、「1週間分の薬を用意」といった個人で違うものがある。「一人一人に必要な行動が何か、家族で話し合ってください」と須賀さんは助言する。

取るべき行動を決めたら、どういう順番でいつ行うかを決める。付箋紙に書いて並べ替えながら考えるといい。


例えば、3日前は、テレビなどで予報に注意しながら、避難用品の点検を始める。大雨注意報が出る可能性がある2日前は、事前に側溝に詰まりがないか確認。大雨警報や洪水警報が出る1日前は、避難用品をリュックに詰める――といった具合だ。

「取るべき行動は一人一人違う。家族に1枚で大丈夫ですが、誰が何をするか分かるように」。家族が増えたり、家族の体が不自由になったりと状況に変化があれば、見直すことも大切だ。

下館河川事務所調査課長の永井一郎さんは「水害はどこででも起こる恐れがある。マイ・タイムラインは助かるためのプラン。全国の人に作ってもらいたい」と訴える。

◆タイムライン3か条
▽助かるための行動を時系列に
▽家族で話し合って決定
▽定期的に見直す

ネットに作成支援キット

タイムライン作りをサポートするキットや教材が、ネット上で公開されている。

東京都は有識者と開発した「東京マイ・タイムライン」を、サイトで公開している。必要事項を記入すれば、簡単に作成できるコーナーもある。都の担当者は「都民以外も利用できる。全国にマイ・タイムラインが普及する一助になれば」と話している。

国土交通省下館河川事務所は、作成方法やポイントをまとめた教材「逃げキッド」を公開。サイト「みんなでマイ・タイムライン」からダウンロードできる。

 

(読売新聞 2020年4月17日掲載 「風水害・備える」おわり 生活部・崎長敬志、及川昭夫、福島憲佑、梶彩夏が担当しました)

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