災害時は子育ても過酷に! 体験談をヒントに備えを

災害は子育て世代にも過酷な試練を与えるが、公的な支援策は十分とは言えない。被災生活ではどんな困難が予想されるのか。あらかじめ知っておき、できる範囲で備えを進めることが大切だ。

西日本豪雨で被災した親たちが訴えたこと

「嘔吐(おうと)、ぜんそくなど子どもの体調が次々に悪くなった。自分の精神状態も不安定で、つらかった」「台所が浸水して調理できず、炎天下の校庭で1時間も並んで弁当をもらい、残りは弁当箱に詰めて、幼稚園へ行く子どもに持たせた」「子どもが騒いで迷惑になると思い、避難所に行けなかった」

2018年7月の西日本豪雨で被災した岡山県倉敷市真備(まび)町の岡田地区で、まちづくり協議会が住民アンケートを行うと、子育て世代が苦しさを訴える言葉が、びっしりと書き込まれていた。

写真説明:西日本豪雨で浸水した岡山県倉敷市真備町(2018年7月)

驚いた専門家が備えを冊子に

兵庫県立大や倉敷市立短大などの防災、育児支援の専門家がそうした実態に驚き、「災害と子育て研究会」を作って、備えや対処策を検討した。その成果を2021年3月、「災害時の子育て」という小冊子にまとめた。被災時のつらい体験談を紹介するとともに、事前に備えておく物や避難生活で困ること、子どもの様子が気になる時や親の心的負担が重くなった時に対処する際のヒントを伝えている。

Q.何を持って逃げればいい?

Q.水が出ない時は、どうする?

Q.子どもの様子が気になる時は?
いつもと違うのは、子どもが不安を訴えているサインかも

幼稚園や保育園、学校が使えなくなると、子どもを一時的に預かってもらえるサービスが必要になる。真備町では関係者の尽力で体制が迅速に整えられたが、情報が届かず利用できない人もいた。そうした仕組みを事前に整え、子育て世代に周知しておくことも求められる。

◆浸水で使用できなくなった主な幼稚園、学校の再開状況

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