入れるバッグは、両手を自由に使えるリュックが向いている。ポケットが多くて仕分けがしやすく、軽いものを選ぼう。避難時にかぶるヘルメットなど、大きくて入らないものは別にし、玄関や寝室などに置いておく。
新型コロナウイルスの感染も危惧される中、防災アドバイザーの地曳美香さんは「マスクや体温計、手指消毒液も重要です」と話す。
リュックに余裕がある場合、携帯トイレやトイレットペーパー、避難所で下に敷ける新聞紙、破って包帯代わりや乳児のよだれかけに使えるポリ袋も便利だという。
定期的な見直しも欠かせない。季節に合わせて着替えを変えたり、子どもの場合、成長に伴って食料の量を調整したりする。その際、ラジオの電池切れや、食料の賞味期限切れなども併せて確認する。
◆非常持ち出し用に準備するものの例
※東京都発行「東京防災」や平山さん、地曳さんへの取材を基に作成
地曳さんは「新型コロナに意識が向いている時でも災害は起きる可能性がある。準備は欠かせません」と呼びかける。
◆非常用持ち出し袋 3か条
▽1人一つずつ、中身は個々の必要に応じて
▽両手を使えるリュックに
▽玄関や寝室などに置く
避難前にブレーカー・元栓をチェック
避難する前に、自宅の被害を最小限にする対策も必要だ。災害リスクに詳しいSOMPOリスクマネジメントの梅山吾郎さんは「住む地域で想定される被害の程度に応じて準備して」と助言する。
床上浸水が予想される場合は、2階建て以上の戸建て住宅であれば、上階に貴重品や持ち運べる家電を移動しておく。台風が接近している場合は、飛ばされそうな庭の植木鉢や置物を家の中に入れる。
避難の直前には、ブレーカーを落とす。停電が起きて復旧した後の通電火災など二次災害を防ぐためだ。ガスの元栓を閉めておくことも重要だ。
梅山さんは「雨が多い季節には、自宅周辺の側溝に詰まったゴミを除いたり、土のうを用意したりと日頃からの準備も大切です」と指摘する。
(読売新聞 2020年5月14日掲載 「防災ニッポン 風水害・逃げる」②)
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