豪雨のとき川がなくても浸水リスク!内水氾濫に気を付けて

写真説明:2018年7月の西日本豪雨では広島県や岡山県などで大雨被害が拡大し、広い範囲で浸水被害に見舞われた(2018年7月8日、岡山県倉敷市で)

雨水が排水されずに起きる内水氾濫は都市部に多い

都市部や低い土地では、豪雨による大量の雨水が排水されずに市街地などにたまる「内水氾濫」で、住宅が浸水被害を受ける恐れも高まる。ハザードマップなどで自宅に被害の可能性がないか確認し、対策を検討したい。

西日本豪雨のときの岡山市で

「大雨で川の水位が上がり、用水路に流れ込んだ雨水が排水されずにあふれた。1mほど浸水した場所もありました」。2018年7月の西日本豪雨で、約2700戸が内水氾濫の浸水被害に遭った岡山市の担当者は、振り返る。

同市は干拓地が多く、市域の4分の1が、満潮時の平均海水面より低い「海抜ゼロメートル地帯」。2007~2016年度の10年間でも、床上・床下浸水が起きた大雨は計30回に上り、被害の大半は内水氾濫が原因とみられるという。

2019年の台風19号のとき

浸水被害と言えば、堤防決壊などによる河川の氾濫(外水氾濫)を思い浮かべるが、内水氾濫も全国的に目立っている。2019年の台風19号では、15都県の約3万戸が内水氾濫の浸水被害を受けた。

写真説明:台風19号の大雨で冠水した道路。川は氾濫していないのに側溝などから水があふれた(2019年10月12日、神奈川県川崎市で)

背景の一つが、短時間強雨の増加だ。気象庁によると、1時間あたり50mm以上の降雨の回数は年々増え、2011~2020年の10年間は、統計を取り始めた1976年からの10年間の1・5倍になった。

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