西日本豪雨「真備町の記録」を岡山県がネットに公開

写真説明:岡山県が公開した豪雨直後の倉敷市真備町の動画

県立図書館の電子図書館「西日本豪雨のデジタルアーカイブ」

2018年に岡山県内を襲った西日本豪雨のデジタルアーカイブが完成し、インターネット上で県立図書館が運営する電子図書館で公開されている。県危機管理課に保管されていた動画や写真1000点以上をまとめたもので、豪雨の記録や教訓を後世に伝える狙いがある。担当者は「悲惨な災害の記録を後世に引き継ぎ、防災力の強化に役立ててほしい」としている。

県保管の動画や写真1000点以上が伝えること

濁った黄土色の水が町中を浸し、崩れてバラバラになった家屋や倒れた電柱が周囲に広がる――。2018年7月8日、被災直後の倉敷市真備町の様子を一般の市民が撮影した動画だ。また、自衛隊のボートによる救出状況を撮影した写真もある。

2021年4月から公開されているアーカイブには、こうした災害の生々しい様子が保存されている。

アーカイブの概要

アーカイブは県立図書館が運営する電子図書館「デジタル岡山大百科」内に作成された。内容に応じて、被害の状況などを伝える「災害記録」、災害からの復旧・復興を記録した「復旧・復興」、支援活動をまとめた「ボランティア活動」に分類されている。ページ上に表示された地図から、「倉敷市真備町有井」「倉敷市真備町川辺」など地域別に資料を探すことも出来る。

個人や企業、公的機関から広く集めた

動画や写真は、県危機管理課が一般の個人や企業、警察や消防などの公的機関から集め、保存していた。各地から集まったボランティアの活動や、復興に向けた大規模工事を撮影した写真、地元の人が復興に向けた思いについて語るインタビュー動画なども視聴できる。

学校での防災教育や研究に

一般の人に広く閲覧してもらうだけでなく、学校での防災教育や防災研究での活用なども念頭に置いているという。県立図書館の担当者は「同様の災害に対してどのように備えるべきか、アーカイブの記録を考える材料にしてもらえれば」としている。

岡山県立図書館 西日本豪雨のデジタルアーカイブ

(読売新聞 2021年6月10日掲載 岡山支局・松田卓也)

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