災害救助犬はにおいを知らなくても探知できる究極の探知犬!

どのように訓練していくんですか?

訓練は、とにかく楽しくしてあげるのがコツです。最初はたくさん人を配置し、人の近くに寄っていったらご褒美をあげて、思い切りほめてあげます。次は横になっている人、その次は隠れている人と、徐々に条件を厳しくしていきます。難しすぎると訓練がつまらなくなってしまうので、いかにギリギリ達成できるレベルに設定できるかが、訓練士の腕の見せ所です。

写真説明:足場の悪いところも難なく走り回るオーラ(神奈川県藤沢市で)

私とペアを組んでいるホワイトシェパードのオーラは生後半年頃に訓練を始め、2歳でRDTAの試験に合格。4歳の頃、国際救助に参加できる試験にも受かりました。数年前、横浜市鶴見区や長野県の山で行方不明になった人を発見したほか、2018年の北海道地震でも捜索に加わりました。

写真説明:村瀬さんの横にぴったり付きながら訓練するオーラ

現在は8歳で人間でいうと60歳代くらいですが、とにかく人が大好き。見つけるとすりつき、周りを走り回る若々しい男の子です。オーラは救助犬としてのピークは過ぎたかもしれませんが、いつまでも一緒に訓練を楽しんでいたいです。

日本ではあまり知られていないようです

写真説明:村瀬涼子さん

欧米では、災害現場に救助犬がいるのは当たり前のことですが、日本では発生から1、2日たってから出動要請がかかることがほとんどです。人命救助のタイムリミットは72時間とされており、生存者を見つけ出す役割の我々にとって、初動の早さはとても重要です。災害救助犬の必要性、能力について、国内でもさらに理解が深まり、浸透していけばうれしいです。

(読売新聞 2021年6月5日掲載 相模原支局・小松大樹)

無断転載禁止

この記事をシェアする

オススメ記事

新着記事

公式SNS