風水害・避難所生活では避難者自らコロナ対策を


写真説明:愛知県豊橋市の訓練では、住民らが非接触型の体温計を使って検温した(同市提供)

避難所生活を乗り切るポイント

風水害にいつ見舞われてもおかしくない季節を迎えた。避難指示などが出て向かう避難所での生活は長引くにつれ、集団生活による負担や健康面のリスクが増える。新型コロナウイルスの感染防止も大きな課題だ。避難所生活を乗り切るポイントを考えていく。

愛知県豊橋市内の小学校で2020年6月13日、新型コロナウイルス対策を取り入れた避難所開設の訓練が行われ、自治会役員ら住民と市職員ら約50人が参加した。フェースシールドを着けた人が入り口で、非接触型の体温計を使って避難者を検温し、発熱者を専用の教室に誘導。避難者スペースには段ボールの間仕切りを設置するなどした。参加した住民からは「避難者同士の間隔を空けるため、今までのような人数は収容できない」などの声が上がったという。

多くの人が集まる避難所は感染症のリスクが高い。2011年の東日本大震災や16年の熊本地震では一部の避難所で、インフルエンザやノロウイルスの感染が広がった。国はこれまでも自治体に避難所での感染症対策を求めてきたが、新型コロナを受けて新たに、できるだけ多くの避難所を開設し、換気をしたり、各家族間の距離を1~2m以上空けるなど十分なスペースを確保したりするように要請。これを受け、開設訓練を行う自治体も目立つ。

感染防止には、避難者自身の対策も重要だ。久留米大教授(災害看護)の三橋睦子さんは「避難所では物資が不足しがち。必要なものはできるだけ持って行きましょう。体に触れる物は、家族でもできるだけ共用しないことが大切」と話す。予備のマスクや体温計、手指消毒液などは配布や用意される可能性もあるが、不足しがちだ。スリッパやタオルなどは、一人一人専用のものを持参したい。

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