線状降水帯で豪雨!岡山地方気象台の防災管理官に注意点を聞く

写真説明:西日本豪雨の時の雨雲の動きを説明する、岡山地方気象台の新納孝寿防災管理官

「顕著な大雨に関する情報」2021年6月運用開始

各地で堤防の決壊などを引き起こし、大きな被害が出た2018年の西日本豪雨。その雨を降らせたのが、「線状降水帯」だ。気象庁は2021年6月から発生を知らせる「顕著な大雨に関する情報」の運用を始めた。同情報について、岡山地方気象台の防災管理官・新納孝寿さんに聞いた。

――線状降水帯とはどういうものか。

暖かく湿った空気が上昇して積乱雲が次々と発生し、長時間、同じ場所に大雨を降らせる現象。降水を伴う雨域は長さ50~300km程度、幅20~50km程度になる。

――引き起こした災害を例示ください。

西日本豪雨では梅雨前線の影響などにより、広島県や愛媛県などで発生した。熊本県球磨川流域で甚大な被害が出た昨年(2020年)7月の九州豪雨や、2017年7月の九州北部豪雨の原因になった。東シナ海などから暖かく湿った空気が流れ込む西日本で発生しやすい。

――発生を予測できるのか。

台風や梅雨前線と比べて規模が小さく、積乱雲は30分~1時間程度の短時間で発生して消える。現在の技術では発生の予測が難しい。積乱雲のもとになる水蒸気を大量に供給する海上の観測体制も手薄だ。半日前予報を始められるように準備している。

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