写真説明:届出避難所に登録された鹿児島県鹿屋市の公民館
鹿児島県鹿屋市で運用開始
2020年7月の豪雨災害で被害が相次いだ鹿児島県鹿屋市で、身近な建物を住民が避難所として選び、災害時に自主的に開設できる「届出避難所」の運用が始まった。避難所の混雑状況の情報発信も始まり、新型コロナウイルスの感染リスクを低減する“3密回避”にもつながると期待されている。
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「これで避難しやすい環境ができる」。鹿屋市新川町の公民館で2021年7月2日、届出避難所の「第1号」の登録通知書を手にした新川町内会の田井村尚会長はそう語り、ホッとした表情をみせた。
避難したくても避難できなかった
鹿屋市では2020年7月6日から雨脚が強まり、24時間雨量は、7月の1か月分の平均値を上回る385・5mmを観測。死傷者はなかったが、各地で土砂崩れや浸水が相次ぎ、78棟が全半壊、河川の護岸も20か所で決壊するなどした。
写真説明:側溝からあふれ出た雨水(2020年7月6日、鹿児島県鹿屋市で)
肝属(きもつき)川が流れる新川地区では、内水氾濫が発生し、住宅や事業所など広範囲で浸水。ただ、地区内唯一の指定避難所の避難者数は、わずか24人で、ある住民は「指定避所へ向かう道路は濁流で川のようになっていて、逃げられる状況ではなかった」と振り返る。
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