修学旅行に!岩手・釜石で水門を見学する震災学習新プログラム

中学生は何を学ぶのか

一般社団法人「三陸ひとつなぎ自然学校」代表理事の伊藤聡さんも講演。当時働いていた旅館で被災し、命からがら裏山に逃げ、津波にのまれて衰弱した人を助けるため、山を下りて旅館に戻らざるを得なかった経験などを話した。

プログラムを終え、男子生徒(15)は「震災の記憶がほとんどないが、予想を超えた地震、津波があったのだと知った。今後もどういう災害があるかわからないので、家族や友達にも学んだことを伝えていきたい」と話した。

新たな観光として政府も推進

今回のプログラムは、岩手県立大と沿岸広域振興局で進めてきた防災施設の利活用についての共同研究がきっかけだ。「インフラツーリズム」は、政府が2013年6月に策定した「観光立国実現に向けたアクション・プログラム」で、新たな観光の一つとして推進されている。震災後に県内で造られた防潮堤や水門を、震災学習に活用する狙いもある。

県立大総合政策学部講師の三好純矢さんは「インフラの見学が魅力的な防災ツアーにつながるか、今後も調査していきたい。修学旅行生や地域住民など、多くの人に知ってもらいたい」と話している。

(読売新聞 2021年7月13日掲載)

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