被災地に海から!連絡船からできた国内初の民間災害医療船いぶきルポ

簡易ベッド8床で運用開始

東日本大震災から10年、国内で初めて民間団体が災害医療に取り組む医療船の運用を開始した。「災害大国」の日本。死者・行方不明者32万人超といわれる南海トラフ巨大地震も予想される。被災地に海からアプローチする医療船がどんなものか。船内に足を踏み入れた。

こちらの記事もおすすめ!→どう守る?登下校中の地震!小学校や家庭に必要な備え

船内はどんな様子か

教室ほどの広さの治療スペースに、簡易ベッド8床が並ぶ。波にわずかに揺れる船内。「そこのベッドに」。救急救命士が声を上げる。患者役の男性を乗せた担架が通った。ベッドに横たわった男性に「どこか痛みますか」と医師が問いかけ、心拍数や血中酸素濃度を測る。並んだベッドの間を縫って船員が行き交い、潮の香りの漂う中に熱気が広がった。

2021年6月上旬、広島県尾道市の港に係留した船上で行われた災害訓練(=写真)。国内外で人道支援に取り組むNPO「ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)」(同県)が所有する災害医療船「いぶき」(全長34m、137t)だ。

2020年3月まで香川県で離島を結ぶ連絡船だった。PWJが同年8月に買い取り、2021年2月に船内の医療体制を整えた。

写真説明:国内初の民間の災害医療船「いぶき」

無断転載禁止

この記事をシェアする

オススメ記事

新着記事

公式SNS