豪雨災害時の高齢者施設(後編)お年寄りの命や安全どう守る?

写真説明:台風による豪雨で浸水した特別養護老人ホーム。避難に時間がかかる高齢者施設では、特に事前の備えが重要だ(2019年10月、埼玉県川越市で)

高齢者施設に求められる豪雨災害への備えとは

災害が発生した時、高齢者施設の入所者にとって、スムーズな避難が難しいことが多い。事前の備えがなかったり、的確な判断ができなかったりすると、重大な結果を招きかねない。前編の架空のシナリオに続き、後編では入所者の命や安全を守るための具体的な方策について紹介する。

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全国の特養の27%が洪水浸水想定区域内に立地

2020年7月の豪雨によって、熊本県球磨村で球磨川が氾濫し、特別養護老人ホーム「千寿園」が濁流に襲われた。入所者14人が亡くなるなど大きな被害をもたらした。

この災害を踏まえ、国土交通省と厚生労働省が2020年10月に全国の特別養護老人ホームに立地条件などの実態調査を行ったところ、4分の1超(27%)が洪水浸水想定区域内に立地していたという。

浸水の危険性が高ければ避難確保計画や訓練が必須

水防法では、浸水の危険性が高い高齢者福祉関係施設などに対し、「避難確保計画」の作成と訓練の実施を義務づけている。作成にあたっては、国交省の「要配慮者利用施設における避難確保計画作成の手引き別冊(手引き別冊)」が示す六つのポイントが参考になりそうだ。

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