千葉・房総沖で1000年前巨大地震?九十九里浜に大津波の痕跡

新旧2つの層のうち旧はいつ?

化石の年代測定の結果、新しい層は、江戸時代の1677年か1703年に起きた地震による津波のものと推定された。一方、2地点で確認された古い層は、平安~鎌倉時代の800~1300年頃のもので、該当する記録がないため、未知の地震の津波と判断した。

さらに、当時の地形などをもとにコンピューターで津波を再現したところ、実態がよくわかっていない房総半島沖の海底断層が震源だった可能性も浮上した。

同規模の地震がいま発生した場合

現在の地形だと、同じ規模の地震が発生すれば高さ約5mの津波が海岸線に到来するという。房総半島の北には日本原子力発電の東海第二原発(茨城県)がある。同原発は原子力規制委員会の安全審査に合格しているが、規制委は「一般論として、新しい知見が出てくれば扱いを検討することになる」とコメントした。

成果をまとめた論文は、英科学誌ネイチャー・ジオサイエンスに掲載された。

政府の地震調査委員会の平田直(なおし)委員長(東京大名誉教授)の話
「日本海溝沿いの房総半島沖では江戸期以外の大地震は知られておらず、重要な報告だ。広域を調査し、震源を特定する研究が必要となる」

(読売新聞 2021年9月26日掲載)

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