2つの巨大地震は東日本大震災の被害を大きく上回る
日本海溝・千島海溝でマグニチュード(M)9クラスの巨大地震が発生した場合、死者は最大19万9000人(日本海溝)と同10万人(千島海溝)に達する――。政府の中央防災会議が2021年12月に推計した数字は、2011年の東日本大震災を大きく上回る未曽有の災害が起きる可能性を示した。国や関係自治体、地域住民は改めて防災対策を急ぐ必要がある。
こちらの記事もおすすめ!→津波で生き延びるには「実感」伴う避難訓練が重要
2つの巨大地震と津波が起きる仕組み
日本海溝と千島海溝の2つの地震と津波が発生する仕組みは同じだ。両海溝では、海側の太平洋プレート(岩板)が列島を乗せた陸側の北米プレートの下に沈み込んでおり、北米プレートにひずみがたまっている。ひずみが限界に達した時、元の状態に戻ろうと北米プレートが跳ね上がり、地震と津波が発生する。津波は北海道から千葉県までの沿岸に到達し、日本海溝の地震で最大29・7m(岩手県宮古市)、千島海溝の地震で同27・9m(北海道えりも町)と想定されている。
◆日本海溝・千島海溝で起きる巨大地震の想定震源域と東日本大震災の震源の位置
◆千島海溝の巨大地震で想定される各地の津波(※道内の最大値)
◆日本海溝の巨大地震で想定される各地の津波(※各県の最大値)
◆日本海溝・千島海溝で起きる巨大地震と他の地震の比較
写真説明:東日本大震災で津波に見舞われた宮城県名取市(2011年3月11日)
無断転載禁止