夜間に津波が襲ってくるリスク
同様に、津波が夜間に襲ってくる可能性は今後も否定できない。その備えが重要だ。
地震などによって停電した場合、暗闇の中を逃げることになる。懐中電灯はすぐ使用できるような場所に準備しておきたい。
暗闇の中を逃げるため経路確認は必ず
街灯が消えた状態でも避難しやすいよう、平時から緊急避難場所への経路を歩いて確認しておくことも大切だ。津波の恐れがある地域では一般的に、自治体が作成するハザードマップに、想定される地震による津波の到達時間や高さ、浸水想定区域などのほか、緊急避難場所も記載されている。地震で経路沿いの塀や家屋が崩れるなどして通れなくなる恐れもあり、複数の緊急避難場所を把握し、経路も複数確認しておく。
緊急避難場所以外でも、自宅近くにある高台や高い建物を事前に把握しておきたい。岩田さんは「ハザードマップは一つの目安。参考にしながら、『自分の命を守るには何が必要か』を考え、安全な避難場所を探しておいた方がいい」と語る。
参考にしたい避難の図記号や標識
津波の恐れのある地域を訪れた際に、警報や注意報が出る恐れもある。緊急避難場所については、ピクトグラム(図記号)を使った誘導標識が街中に掲示されている場合もあり、参考にしたい。
◆津波避難に関する図記号
※一般社団法人「日本標識工業会」の資料などを基に作成
◆津波避難に関する標識
※左は高知県黒潮町提供、右は高知市提供
冬場の夜間でも津波の避難は徒歩が原則
「冬場の夜間であっても、津波の避難は徒歩が原則」と岩田さん。
車での避難は渋滞の原因や徒歩避難の妨げとなる可能性がある。今回の津波でも、一部地域で避難する車の渋滞が起きた。
写真説明=津波警報が出された後、高台に避難する車の列(2022年1月16日未明、鹿児島県奄美市で)=浜田玄龍さん提供、画像を一部修整
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