劇場で大地震に遭遇したら!(前編)正しい避難行動できますか

写真説明:コンサート中に地震が起きた想定で行われた避難訓練(2017年2月、岐阜県で)

大勢の人が集まれば将棋倒しなどの二次災害リスク

1か所に大勢の人が集まる劇場やホールでは、大災害発生時にはパニックにならず、自分の身を守る行動を取ることが求められる。将棋倒しなどの二次災害を起こさないことも大切だ。観劇時に大地震が発生したらどうすべきか。架空のシナリオで考えてみる。

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シナリオ1 突然の振動に席で身を守る…不安

花子(41)はひいきにしている人気俳優が話題の舞台に主演するので、週末の夕方、夫の太郎(46)と2人で東京都内の劇場に出かけた。1000席ほどの客席のほぼ真ん中の良席で芝居を楽しんでいたが、突然、ゴゴゴゴという不穏な振動を座席から感じ、ほどなく立ち上がれないほどの大きな揺れが発生した。

揺れは30秒が過ぎても収まらず、暗かった客席の照明がついて、劇場内が明るくなった。芝居も中断され、「ただいま地震がありました。お客様はそのまま、お席でお待ちください」との場内アナウンス。客席内がざわつく。立ち上がって非常口へ向かおうとする観客も出始めたが、「状況を確認した後、係員がご案内します。そのままでお待ちください」と制止される。

久々の夫婦での外出とあって、夕飯を作り置き、長女(13)と長男(10)に留守番を頼んでいた。スマートフォンの電源を入れる。劇場内の携帯電話抑止装置は解除されたようだが、何度電話をかけてもつながらない。長女には「〇〇ちゃんの舞台を見に行く」と伝えたが、「〇〇劇場に行く」とまでは伝えていなかった。子供たちは大丈夫だろうか。心配でならない。

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