劇場で大地震に遭遇したら!(後編)身を守るための対策編

写真説明:公共のホールでは公演中に地震が起きた想定で避難訓練が行われている(2018年3月、東京都内で)

火災が起きなければ最も安全な場所は客席

1か所に大勢の観客が集まる劇場やホールでは、大災害発生時にはパニックにならず、自分の身を守る行動を取ることが求められる。観劇時に大地震が発生したらどうすべきか。注意したいポイントや心がけたいことを紹介する。

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チェック1・天井は大丈夫か?

1995年の阪神大震災では、宝塚大劇場(兵庫県宝塚市)をはじめ、劇場、ホールに大きな被害が出た。2011年の東日本大震災でも、大規模な建築物の天井が崩落する被害が多発。中でも「ミューザ川崎シンフォニーホール」(川崎市)での崩落事故は劇場関係者にとって大きな衝撃だった。

2003年に完成し、震災の当時でも比較的新しい建物だったが、震度5強の揺れでホール内の天井の約7割が崩落。幸い、公演は行われておらず、人的被害はなかったが、各劇場はこれを他山の石として、天井の耐震対策を進めるようになった。

チェック2・耐震性は大丈夫か?

耐震性に優れた劇場内は、本来は「シェルター」の役割を果たす。

1997年開場の新国立劇場(=写真、東京都渋谷区)の桑原貴・統括劇場支配人は、「火災さえ起きなければ、地震が起きても動かずに、客席で座っているのが最も安全というメッセージをお客様に伝えています」と語る。3・11の時も崩落などの被害はなく、人的被害もゼロだった。

観劇前、観劇時の注意点

(劇場関係者への取材を基に作成)

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