災害時はドローンやアプリで迅速安全な避難を!最新研究チェック

(画像は東北学院大・高橋秀幸准教授提供)

逃げ遅れ防止や円滑な避難のため情報通信分野で研究進む

今後発生が想定される南海トラフ地震では、津波襲来までの一刻も早い避難が必要となる。そこで、避難誘導するドローンや、避難所の混雑状況を伝えるシステムで迅速な避難につなげる研究が進められている。

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自律飛行したドローンが空から避難誘導

2021年11月、福島県いわき市の海岸から1機のドローンが飛び立った。人の操作なしで、目的地として設定した約1km先の高台にある避難所へと自律飛行した。

東北学院大の高橋秀幸准教授(情報通信)らのチームによるドローンを使った避難誘導実験の1コマだ。非常時には自動的に飛び立ち、周辺地域の火災情報などを受信。最適な避難路を導き出すプログラムが組み込まれており、安全な道路の上空を選んで「安全通路」と記した標識を示し、避難所へ誘導する。

◆高橋准教授が目指すドローンを使った避難誘導

東日本大震災の時いわき市でなにが起きたか

いわき市では、2011年の東日本大震災当時、市街地で火災が発生。しかし、断水や津波警報の発令などで十分な消火活動ができずに避難が困難となった。市内では逃げ遅れた人らを含め290人以上が死亡した。

写真説明:東日本大震災で福島県いわき市の住宅街で起きた火災(2011年3月11日)

チームが今回の研究に乗り出したのは、こうした事態を防ぐためだ。異なる役割を担う複数のドローンを駆使し、効率的な避難誘導を目指している。

ドローン活用で目指していること

具体的には、安全な道路に誘導する役割のほか、建物の倒壊や火災で通れなくなった道路の上空で「危険」の標識を示したり、搭載カメラで要救助者を捜索して消防車に知らせたりする役割を持たせるという。

高橋准教授は「素早い避難や救助が可能になり、避難誘導の担当者も火災や津波に巻き込まれずに済む」と強調する。今後、地域の防災計画に組み込んで活用できるよう研究を進める。

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