乳幼児や妊娠中の防災対策(後編)注意ポイントと必須アイテム

食べるものは1週間から10日分は用意しよう

妊婦や乳幼児がいる家庭では、災害時の食事の確保は特に大きな心配事だ。物流が回復するまでは食事の回数や量が制限されたり、野菜や果物など生鮮食品が手に入りにくくなったりして、栄養が不足する恐れがある。在宅避難を考えて1週間~10日分を用意し、一部は非常用持ち出し袋に入れて備えたい。

飲料水と食料品

日本栄養士会災害支援チームを統括する専務理事の下浦佳之さんは、「妊婦や母親に低栄養の状態が続けば、胎児や母乳を与えている乳児への影響も懸念される。飲料水や食料品の備蓄は不可欠」と指摘する。

災害時のストレスで一時的に母乳の出が悪くなる可能性もあり、粉ミルクや液体ミルク、割れにくいプラスチック製などの哺乳瓶を備えておきたい。「ミルクは紙コップを使って、口に含ませることもできる。哺乳瓶を洗えない場合を考え、用意しておくといいでしょう」

2019年に国内で販売が始まった液体ミルクは紙パック入りや缶入りがあり、常温で保存可能。粉ミルクのように、沸騰させたお湯で溶かしてから冷ます調乳の必要がない。哺乳瓶に移し替えるほか、飲み口を付けて哺乳瓶のように飲むこともできる。

子どもの成長に応じ、市販の離乳食も備蓄に加えたい。「普段から食べ慣れている製品が望ましい。

子供に食物アレルギーがある場合は、対応した離乳食を用意しておく必要がある」と下浦さん。

無断転載禁止

この記事をシェアする

オススメ記事

新着記事

公式SNS