年800万超の110番!必要時に正しく使うためのポイント

110番に通報した後の流れ

「事件ですか。事故ですか」。110番すると、各地の警察本部の通信指令室につながり、担当者から聞かれる。

①事件・事故が発生し当事者らが通報

②警察本部の通信指令室につながる

指令室は通報内容やスマホから受信した全地球測位システム(GPS)の情報を基に場所を特定。無線でパトカーやヘリコプターなどに指示を出し、警察官が急行する。

③無線で指示を受けたパトカーなどの警察官が急行する

到着にかかる時間は「リスポンス・タイム」と呼ばれ、2020年の全国平均は7分57秒だった。

警察本部ではどう工夫しているか

「顔が見えないので、声なき声も聞くように注意している」。大阪府警通信指令室の伊藤耕一次長は強調する。通報者の立場は様々だ。加害者を恐れ、声を出せないDV(配偶者らからの暴力)や虐待の被害者も予想される。電話口から漏れ聞こえる雑音にも神経をとがらせ、少しでも疑問を感じたら現場に赴く。電車の通過音を頼りに、自殺を図ろうとした通報者の居場所を特定し、救出したこともあった。

今や110番は「通話」に限らない。聴覚・言語障害者ら向けにスマホのアプリを使った通報が2019年から全国で可能になった。短文でやり取りするチャット機能を活用する。通報者が撮影した現場映像をスマホ経由で送信してもらうシステムの導入も進む。2020年から始めた兵庫県警では送信を受けた車のナンバー画像から傷害事件の解決につなげた。培った「匠(たくみ)の技」と最新技術の両輪で進化を続ける。

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