記者の災害体験コースリポート
地震は直下型も海溝型も体験可能
起震装置のコーナーでは、市内で想定される震度7の直下型地震で突き上げるような揺れを体験。手すりをつかんでも足元がぐらついた。震度6弱の海溝型地震は横に揺さぶられた後、津波が襲いかかる映像も流れ、2011年の東日本大震災が思い出される。
写真説明:震度7の揺れを経験しながら体を支える参加者
煙が立ち込めるなかの避難も
煙からの避難では、あっという間に白煙が充満し、床をはって壁づたいに進んだ。
写真説明:煙の中を避難する体験では、手探りで前へと進む
煙は無害だが、視界が失われる恐怖感から出口の誘導灯を見つけて脱出した時はほっとした。一緒になった市民から「本物の煙だったら動けずにすぐに死にそうだ」と感想がもれた。
消火体験もできる
総合訓練棟では、炎に向かって模擬消火器の水をかける体験もできる。同じ棟内には耐火レンガ製の実火災訓練室があり、消防隊員が木材を燃やし、400℃近い熱さで消火や人命救助を訓練する。敷地内では米や水、毛布も備蓄する(=写真)ほか、沿岸部の消防本部が被災した場合は司令塔となる設備も備えている。
災害体験コースに参加した自治会役員(85)は「震災や災害の教訓を、人はすぐに忘れてしまう。こうした施設で訓練や体験を繰り返し、防災への気持ちを新たにしたい」と言う。
問い合わせは、堺市総合防災センター(電話072・363・2225)へ。
(読売新聞 2022年3月11日掲載 堺支局長・上田貴夫)
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