3.11気仙沼の津波動画を撮影から10年封印し公開した理由

写真説明:津波を撮影した高台で当時を振り返る畠山亮さん(宮城県気仙沼市で)

震災発生直後の動画を2021年11月に公開した

宮城県気仙沼市の飲食店店長、畠山亮さんが、東日本大震災から10年以上を経た2021年11月、震災発生直後の市内の様子を捉えた動画を公開した。当時中学生だった畠山さんは、津波の恐怖から撮影した動画を封印してきた。だが、津波で父親が犠牲になった取引先の男性に勧められ、公開に踏み切った。

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撮影した動画の内容

「先ほど強い地震が起き、津波が来るという警報が出ました」

気仙沼市の海岸沿いにある三ノ浜地区を撮影した23分間の動画は、中学3年生だった畠山さんの冷静な説明で始まる。他の住民も落ち着いた様子だが、撮影開始から2分ほどで津波を知らせるサイレンが鳴り響くと、海面の水位が急激に上昇。慌てて高台に避難する畠山さんの足元で黒い津波が家や車をのみ込む様子が生々しく記録されている。

写真説明:公開した津波動画の一場面

畠山さんは、震災で大きな揺れを感じると、ポケットから携帯端末を取り出し、すぐに撮影を始めたという。前年のチリ地震で津波を経験した際に撮影できず、悔しい気持ちがあったからだ。

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