津波が想定される地域ではいち早い避難が必須
今後40年以内に90%程度の確率で起きるとされる南海トラフ地震。大きな津波が想定される地域で命を守るには、高い場所へのいち早い避難が欠かせない。いざという時には自治体が整備した避難施設以外にも、民間の商業施設なども避難の選択肢となる。
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津波避難施設の整備状況
大きな地震が起きると、震源に近い海底が上下に動く。これに伴って海面も動き、大きな波となって押し寄せるのが津波だ。
東海から九州にかけて約700kmに延びる南海トラフでの地震に備え、津波で30cm以上の浸水が地震発生から30分以内に生じる恐れなどがある139市町村の「津波避難対策特別強化地域」には、約5700の津波避難施設が整備されている(2018年8月時点)。
津波避難施設が整備されている四国の自治体の例
①高知県室戸市
高知県室戸市の佐喜浜町都呂地区では、県が2016年、津波避難シェルターを完成させた。山腹をL字形に掘削してコンクリートで固め、山と海に挟まれた場所に暮らす住民たちが素早く高い場所に逃げられるように設計された。
写真説明:L字形のトンネル状に掘ったシェルターの止水扉
②徳島県小松島市
徳島県小松島市は2016年7月、高さ5・5mの盛り土で造った人工の高台(通称・命山)を整備した。一辺46mの正方形の高台の上では920人が一時的に避難できる。
写真説明:徳島県小松島市の人工の高台にはスロープがあり、車いすも乗り入れできる(市提供)
③高知県黒潮町
写真説明:高知県黒潮町に造られた高さ22mに避難フロアがある国内最大級の津波避難タワー。想定収容人数は230人
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