土砂ダムも土砂崩れもなくしたい!奈良で進む土砂災害対策

説明:紀伊水害の時にできた土砂ダム。決壊の危険性もあった(2011年9月17日、奈良県五條市で)

2011年の紀伊水害は奈良県南部の紀伊山地に集中した

山が険しく、切り立った地形も多い紀伊山地。2011年の紀伊水害では、奈良県南部に被害が集中した。記録的な大雨が各地で土砂崩れをもたらし、一部の崩落した土砂は川をせき止めて「土砂ダム」を形成。現地で、<山津波>とも呼ばれる土石流や洪水の危険性を高めた。

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土砂ダム対策は進んだのか

被害の大きかった県南部では、土砂災害の被害を小さくしようとする様々なハード整備が展開されている。紀伊水害をきっかけに、国土交通省は2012年、奈良県五條市に「紀伊山地砂防事務所」を設置。土砂崩れや土砂ダムの決壊による二次災害の恐れのある場所で、緊急的な砂防対策を行ってきた。事務所の設置期間は当初5年間とされたが、名称を「紀伊山系砂防事務所」に改め、恒常的な事業を続けている。

土砂ダムの埋め戻し作業は、建設機械を遠隔で操作する無人化施工の活用もあり、県内では全4か所中、3か所で完了。

写真説明:埋め戻しが終わった大塔町赤谷地区の土砂ダム(五條市で)=紀伊山系砂防事務所提供

ただ、残る十津川村長殿地区では、重機の搬入が難しいため、土砂ダムは水害発生から10年が経過しても解消していない(=写真、2021年8月撮影)。

同事務所は「排水トンネルなど、まず別の工法で工事を進めている」としている。

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