災害時のペット(後編)日頃から備えておきたいこと

写真説明:ペットと同行避難する訓練の様子(2016年11月、東京都三鷹市で)

「同行避難」が原則でも、避難所ごとに事情が異なる

災害時にペットをどう守れるのだろうか。災害時はペットとの「同行避難」が原則だ。だが、ペット受け入れの可否や、飼育環境は避難所ごとに異なる。

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飼い主に必要な次善の策

飼い主は、次善の策として、避難所以外への「分散避難」も検討する必要がある。ペットを安全な場所にある動物病院やペットホテルなどに預けることも考えておきたい。理解のある親類や友人宅へ身を寄せる方法もある。自宅に危険が少なければ、在宅避難を検討する。環境変化はペットの負担になるためだ。

動物アレルギーやペットが苦手な人もいる

地域住民の中には、動物に対してアレルギーなどがあったり、苦手だったりする人もいるだろう。九州保健福祉大准教授の加藤謙介さん(社会心理学)は「普段から、行政や動物の専門家、ペットを飼う人、地域住民らが連携して、だれもが安心して過ごせる避難所のあり方を考えるべきだ」と話す。

写真説明:東日本大震災の避難所の外で飼われていたペット(2011年4月、岩手県陸前高田市で)

ペットと一緒に過ごせる避難所があればいいが

2016年の熊本地震では、ペットと飼い主が一緒に過ごせる「同伴避難所」を熊本市内の専門学校「九州動物学院」が開設した。延べ約1500人の飼い主とペットが過ごしたという。学院長の徳田竜之介さんは「ペットという共通の話題で会話が弾み、世話をすることで元気が出た人もいる。ペットを必要とする人を救済する避難所が必要だ」と訴える。

写真説明:石川県野々市市で、災害時にペット同伴避難ができるように開放される施設。市は2021年5月に施設の運営会社と協定を結んだ

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