夜中の震度6強で津波警戒!3.11経験者がとった迅速避難

写真説明:地震で崩れた仙台城跡の石垣(2022年3月17日、仙台市青葉区で)

激しい揺れに繰り返し襲われる沿岸部で

宮城、福島両県で震度6強を観測し、津波注意報が発令された2022年3月16日の地震で、宮城県では、深夜の発生にもかかわらず、ただちに避難行動を始めることができた人たちがいる。激しい揺れに繰り返し襲われる沿岸部の住民は、東日本大震災以降、どんな備えを心がけているのだろうか。

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宮城県気仙沼市の男性の場合

宮城県気仙沼市の金野憲太郎さんは2022年3月16日の地震発生時、就寝中だった。揺れが収まると、近所を回って高齢者数人に避難を呼びかけてからヘルメットを脇に抱え、高台にある市民会館に避難した。小走りで約500m。着いたのは地震発生から15分後だった。

写真説明:徒歩で自宅から避難先に向かった金野さん(宮城県気仙沼市で)

東日本大震災の時は渋滞にはまった

2011年の震災では車で避難し、危ない目に遭った。自宅兼商店で戸締まりや貴重品の整理を済ませ、売り物のたばこの段ボール箱を載せた軽ワゴン車に乗り込んだ。この時点で揺れから40分近く過ぎ、市民会館につながる道は大渋滞。裏道を使って抜け出した直後、自宅周辺の一帯が黒い津波にのみ込まれた。

以来、避難は徒歩と決めている。

車にもメリットはあるが

ただ、「車にもメリットはある」と認める。車内は暖がとれるし、コロナ禍では他人との接触も避けられる。今回、金野さんの妻と娘夫婦、孫、飼い犬は車で先に避難させた。震災で車を2台流され、しばらく生活に支障を来した経験からだ。

市によると市民会館に駆け込んだ住民は最大時、金野さんら6人。一方で駐車場には100台が避難した。「一定の時間がたてば車は渋滞に巻き込まれるから、歩いて行ける人は歩く。しかし、時間帯や状況によっては車を選ぶ。何があるかわからない災害で一番大切なのは、原則ではなく、臨機応変の対応です」

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