災害時の救助犬・補助犬・セラピードッグの活躍まとめました

写真説明:災害救助犬が倒壊した建物に閉じこめられた被災者を捜し出す訓練(神奈川県相模原市中央区で、2017年9月3日)

生存者の捜索や被災者ケアなど「犬の力」は欠かせない

東日本大震災(2011年)をきっかけに、様々な形で人を助けてくれる犬たちの存在が、広く認識されるようになってきた。鋭い嗅覚で生存者を捜したり、被災者の心をケアしたり。関係者は、災害時に「犬の力」をより発揮できるように、たくさんの人に活動の意義を知ってもらいたいと願っている。

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生存者を見つけ出す…災害救助犬

写真説明:捜索活動をする救助犬とハンドラー(指導手)ら(2011年3月13日、宮城県名取市閖上で)

神奈川県藤沢市のNPO法人「救助犬訓練士協会」の村瀬英博理事長らは震災発生の翌日、6頭の災害救助犬と宮城県名取市の閖上(ゆりあげ)地区などに入った。

丸2日間捜索し続ける

救助犬は、がれきなどに埋もれた「生存者」のにおいを捜し、見つけると、ほえて知らせる。だが、津波をかぶった街は「水田かと思った」というほど水浸し。犬たちが残り香に気づいて走り出しては静かに戻ってくることの繰り返しで、丸2日の捜索でほえたのは、たった一度だけだった。

写真説明:がれきの中から生存者を捜す災害救助犬の訓練(長野県富士見町の訓練場で)

被災地には、国内外から救助犬を連れた民間の救助隊が集まったが、村瀬さんによると、統率がとれていなかった。すでに捜索した場所を別の隊が捜索するケースや、軽装備で現場に入る隊もいたという。

それを教訓に、3年後の2014年春、捜索を終えた場所に残す共通の印(マーキング)が導入された。「しっかりと救助のノウハウを学びたい」と協会に学びに来る隊も増えた。村瀬さんは「救助犬に力を発揮させる環境は少しずつだが良くなっている。あとは救助拠点の整備など、行政の支援があれば心強い」と訴えた。

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