首都圏の帰宅困難「一時滞在施設」不足と個人の備え要チェック

一時滞在施設に身を寄せる人数

横浜市は約45万5000人が帰宅困難になると想定している。このうち約36万人は通勤・通学者のため、災害時には勤務先や学校などに滞在してもらう計画だ。残る約9万5000人の来街者が一時滞在施設に身を寄せることになる。

写真説明:観光やビジネスでも多くの人が訪れる横浜市

市内の一時滞在施設は2022年3月1日現在で、公共施設94か所、民間施設137か所の計231か所。最大で約6万5000人の受け入れが可能だが、差し引き約3万人分が不足する計算だ。帰宅困難者対策として政府は、一斉帰宅を抑制するため、職場や学校などで3日間待機するよう呼びかける。人命救助のタイムリミットとされる72時間は、緊急輸送ルートを確保し、救急・消火活動など人命救助に注力するためだ。

災害時の混乱や群衆事故を防ぐには

東日本大震災では帰宅者が車道にあふれ、運転再開を待つ人で駅周辺も混乱。横浜駅や川崎駅も数千人であふれかえった。

写真説明:東日本大震災時のJR川崎駅。運行が止まって改札が閉鎖された(2011年3月11日)

東京大の広井悠教授(都市防災)は「今後起こりうる首都直下地震では群衆事故が起こるかもしれない。状況が落ち着くまで、帰宅はしないで」と警鐘を鳴らす。

◆帰宅困難者心得
・むやみに移動を開始しない
・災害用伝言板などで家族の安否を確認する
・職場や学校に泊まるなどして「時差帰宅」を心がける

◆日頃からの備え
・家族で安否確認の方法や集合場所を話し合っておく
・職場や学校に泊まれる準備をしておく
・スニーカー、携帯電話の充電器、懐中電灯、飲料水などを準備

※横浜市帰宅困難者マニュアルより。市のホームページ(https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/bousai-kyukyu-bohan/bousai-saigai/wagaya/jishin/place/konnan/20170131153747.html)からダウンロードし、定期券ケースなどに入れて持ち歩ける。

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