地震への備え 住民自ら救助活動

写真説明=子どもたちと倒壊家屋の模型をジャッキで浮かせるハンマーズのメンバーら(2017年9月=ハンマーズ提供)

東京都墨田区の建設業者でつくる自主防災組織「ハンマーズ」は、町内会の防災訓練などで、がれきの下から工具を使って人を助け出す方法を教えている。参加者は自作された2m四方の倒壊家屋の模型をジャッキで浮かせて下敷きになった人形を助け出したり、バールの使い方やロープの結び方を学んだりする。

工具の使い方を学ぶ

ハンマーズは2011年の東日本大震災をきっかけに6年前、職人たちの技を地域住民にも伝えようと、結成された。代表代行の村山紀親(のりちか)さん(50)は「救助の効率が上がり、助かる命が少しでも増えてほしい」と力を込める。

大規模な地震が発生し、各地で負傷者が出ると、119番が集中して、すぐには消防の助けが来ない恐れがある。倒壊した住宅の下敷きになった人などは、住民が自ら救助しなければならず、日頃から工具の使い方を学んでおくことが望ましい。

工具そのものも備えたい。だが、ノコギリやバールなど小さめのものは自宅に置けても、大型となると難しい。防災コンサルタントの高橋洋さんは「町のどこに役立つものがあるか、普段からチェックしておきましょう」と助言する。地域の防災倉庫にあるほか、近くの工務店や電器店などに行けば、様々な工具が借りられる可能性がある。停車中のトラックに、大型の油圧ジャッキが積まれていることもあるという。

心肺蘇生や応急措置も

救命処置も重要だ。心停止して何の処置もしなければ、救命率が1分ごとに7~10%下がるとされ、一刻も早い対応が求められる。総務省消防庁がホームページで紹介する「一般市民向け応急手当WEB講習」が参考になる。

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