台風への備え「事前に」すべきこと

写真説明=台風19号に備え、窓に板を打ち付ける姿も(2019年10月11日、千葉県内で)

本格的な台風シーズンとなった。強風による飛来物で窓ガラスが割れて飛散するといった被害を軽減するため、備えを確認したい。

屋外の片づけと窓ガラス飛散防止

まず、庭やベランダなど屋外に置いている自転車やプランター、物干しざおなどを事前に片付けておくことが大切だ。防災アドバイザーの高荷智也さんは、「ガラスが割れるのは強風の風圧が原因というより、風で飛んできた物が当たったケースが多い。近隣の住宅にも被害が及ばないように、飛ばされやすい物の点検を」と指摘する。

家屋や物置などに一時的に収納するか、難しい場合はブルーシートなどに包んで縛り、柱などに縄で巻き付けておく方法もある。

窓ガラスが割れ、室内に飛び散ると、踏んでけがをしたり、避難が遅れたりする危険性がある。雨戸やシャッターを閉めておけば、窓が割れる心配はほとんどない。

雨戸などがなければ、ホームセンターなどで購入できる飛散防止フィルムを窓の内側に貼っておく方法がある。

高荷さんは「あらかじめ窓の大きさに合わせてカットしたフィルムを購入できるインターネット通販もある。時間的な余裕がある場合は、利用を検討してもいい」と助言する。飛散防止のため、養生テープなどを「×」の形になるように貼るだけでは、貼っていない部分に物が当たると飛び散る可能性が高く、効果的ではないという。

飲料水や食料品の確保

停電や断水などが発生する恐れもある。飲料水や食料品、モバイルバッテリーなどを備蓄しておくことも必要だ。

自宅周辺のハザードマップを確認し、浸水や土砂崩れなどの被害が見込まれる場合は、避難勧告などを待たず、日中の明るいうちに避難することも大切だ。ただ、避難をためらう人も多い。

「避難の際は、近所の人に声かけをする共助も大事」と広島大教授(社会心理学)の坂田桐子さんは指摘する。「私は避難します」「近所の人も皆、避難します」といった言葉を使うと、相手は危機感を持ちやすい。避難行動をイメージしやすいよう、避難所へのルートなどの具体的な情報を伝えることも効果的だという。坂田さんは「早めに声かけすることが大事です」と話す。

(読売新聞 2020年9月4日掲載)

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