地震で在宅避難!困らないための備えと心構えは?

水道・ガス 復旧に時間

大規模な地震の発生時、自宅から避難しなかった人は、一定数いる。

2016年4月の熊本地震について、熊本市が市民約2400人に調査したところ、最大震度7を記録した前震(14日)と、同じく震度7の本震(16日)を経て、「避難しなかった・できなかった」と回答した人は25・9%。理由で最も多かったのは、「自宅は強度があって安全だと思ったから」で68・9%だった。

ただ、電気や水道、ガスといったライフラインが途絶えると、復旧には時間を要する。岐阜大の能島暢呂(のぶおと)教授(地震工学)のまとめでは、2011年の東日本大震災で、電気、水道、都市ガスが9割以上復旧したのはそれぞれ、6日目、24日目、35日目だった。

国の中央防災会議は、首都直下地震が発生した場合、電気と上下水道の復旧に約1か月、ガスは約6週間かかると予測している。

→ライフライン

停電時に備え、懐中電灯以外にも、長時間使える「LEDランタン」などを用意したい。スマートフォンのモバイルバッテリーも必要だ。さらに小型の蓄電池があると心強い。

調理用には卓上カセットコンロが便利だ。ガスボンベも十分な数をそろえる。水はペットボトルの飲料水だけでなく、生活用水も用意しておく。ポリタンクに水道水を入れておき、定期的に取り換えたい。

→情報収集

被災状況などの情報を得るため、携帯ラジオを常備したい。手回し充電式なら、電池切れの心配もない。

避難所は給水や食料配布などの情報発信の拠点ともなる。自宅で生活を続けていても定期的に通いたい。多くの自治体がツイッターやLINEといったSNSの公式アカウントなどで情報を発信する。日頃からフォローなどする。コミュニティーFMの周波数も調べておく。

→トイレ

水や食料の確保が優先され、後回しになりがちなのがトイレやゴミなどの衛生面だ。生活の質に大きく関わるだけに備えは怠れない。

携帯トイレを準備しておきたい。ポリ袋に排せつしてシートで吸水したり、凝固剤で固めたりするタイプがある。

被害状況によっては、ゴミ収集が長期にわたって滞る恐れもある。臭いなどによる影響が出ないよう、管理する必要がある。

→災害食

飲料水や卓上カセットコンロを準備していれば、水道やガスがストップしても、普段に近い食事を取ることができる。

台所などにある食材を有効活用したい。冷蔵庫にあるものは停電すれば傷みやすくなるため、早めに使う。ジャガイモなど常温保存のものや缶詰、レトルト食品などは後から使った方がいい。心に余裕がなくなりがちだが、可能な限り栄養バランスにも留意する。

災害時の調理 ポリ袋活躍

ポリ袋を使う調理法が、災害時に役立つとして注目されている。材料を入れて混ぜるだけでなく、加熱調理にも使える。

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