地震・在宅避難(1)停電、断水に備える(連載)

写真説明:東京都千代田区大手町では、「停電日数6日」と表示される

大規模地震が発生すれば、電気やガス、水道といったライフラインが寸断され、復旧まで時間を要する恐れがある。そうなれば、自宅の建物に大きな損傷がなく在宅避難を選んでも、厳しい生活を強いられる。在宅での備えを充実させたい。

スマホ バッテリー複数/水道水 ポリタンクに

東京都内の住宅密集地の一角。スマートフォンでサイト「地震10秒診断」を開き、「診断」をクリックすると、起こりうる地震の最大震度が6強と示され、「停電日数4日」と表示された。ガス停止日数は21日、断水日数は32日に及ぶという。

サイトは、日本損害保険協会(東京)と防災科学技術研究所(茨城)が、8月から公開している。利用者の現在地などで、今後30年以内に震度5弱から7までの5段階の地震が起きる確率のほか、想定される停電日数などが出る。日数は過去の地震のデータなどを基に算出。協会の担当者は「一つの目安だが、地震への備えを見直すきっかけにしてほしい」と呼びかける。

「停電の中でも、明かりがあれば精神的に安心します」と、災害危機管理アドバイザーで防災士の和田隆昌さんは助言する。停電時、懐中電灯しかなければ、水の入ったペットボトルに光を当てたり、白いポリ袋をかぶせたりすると光が拡散し、周囲が明るくなるという。

写真説明:水が入ったペットボトルの下から懐中電灯を当てると、光が広がる

備えとして薦めるのが、長時間使用できる「LEDランタン」。ホームセンターなどで販売されており、予備バッテリーとともに用意したい。

災害情報などを得るため、スマートフォンのモバイルバッテリーも欠かせない。ソーラー充電対応のものもある。複数用意したい。

小型の蓄電池は容量が1万~2万ミリ・アンペア・アワー(mAh)あれば、スマホ1台を3日程度使えるという。「停電時に使いたい製品に必要な容量を確認し、購入して」

ガスの供給が止まった場合、卓上カセットコンロがあれば、調理に便利だ。ガスボンベは12本用意し、3本消費したら、不足分を新たに購入しておく。ボンベの使用期限にも注意する。

断水が続けば給水車が来る可能性があるが、自宅でも飲料水は備蓄しておきたい。調理用も含め、1人1日3ℓが目安。3日分、できれば1週間分用意したい。

水ジャーナリストの橋本淳司さんは、「手を洗ったり体を拭いたりする生活用水も、できるだけ多く準備しておいて」と呼びかける。勧めるのが、水道水をポリタンクにためることだ。

ホームセンターなどで売っている10 ℓのタンクを用意。中をきれいに洗って乾かし、口から少し水があふれるまで注いで、空気が入らないように注意をしてキャップを閉める。水を入れた日付を記し、暗くて涼しい場所に保管。1か月をめどに水を入れ替える。タンクは給水車から水を運ぶ際も使える。

◆停電や断水などに備え、用意すべきものの例
(和田さんや橋本さんへの取材などを基に作成)

浴槽に水を張ったり、雨水をバケツにためたりしておけば、トイレも流せる。ただ、小さな子どもがいる家庭では、子どもが浴槽内に落ちないよう注意する。

橋本さんは「災害用の水は一つの方法だけで備蓄するのは大変。複数のやり方で賄うことが大事だ」と話す。

◆ライフライン対策3か条
▽停電時、まずは明かり
▽カセットコンロが便利
▽生活用水も準備

(読売新聞 2020年9月16日掲載)

無断転載禁止

この記事をシェアする

オススメ記事

公式SNS